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0001-00-01エフェメラ

エフェメラ ephemera

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譯語

「一過性資料」として丸山昭二郎・高鷲忠美・坂本博監譯『ALA図書館情報学辞典』(丸善、1988.9)に立項あり。「主としてパンフレットまたは切抜き資料からなる」といふ説明で、一枚物が含まれない風なのが不審である。

日本図書館学会用語辞典編集委員会編『図書館情報学用語辞典』(丸善、1997.9)には、項目は立ってないし卷末「欧和対照表」にも擧げられてないものの、「パンフレット」の項中に「簡易資料、または短命資料(ephemeral)に分類されることがある」(p.172右段)と見える。「短命」の方が「一過性」より蜉蝣(カゲロフ)の原義に忠實ではある。

參考書

田中正明『印刷物の考現学――デザインから見た印刷――』(印刷学会出版部、2008.5)はエフェメラの見本集、事例集と見做せる。

題名の「印刷物」についてであるが、印刷物といえば、書籍から新聞、雑誌の巨大部数なものから、小は電車の切符の類に至るまであるが、ここでは端物印刷物といわれるような、私が集めているようなものをさすのである。あるとき、私に勇気を与えてくれるような本に出合った。昭和三十七年(一九六二)年発行の、ジョン・ルイス著「プリンテッド・エフェメラ」John Lewis:"Printed Ephemera".Ipswich. 1962である。ジョン・ルイスは当時、ロンドンにある王立芸術大学の講師をしていた人である。「プリンテッド・エフェメラ」とは、かげろうのようにはかない印刷物ということで、端物印刷物といったところであろう。そこで切符とか入場券からビラやポスターにいたる印刷物を丁寧に一冊の本にまとめているのを見て、わが意を得たりと元気づけられたのである。

『印刷物の考現学』「あとがき」p.237

右に言ふ端物(はもの)とは、廣義には形態上の輕印刷全般、狹義にはページ物以外を意味する印刷業界用語である。なほルイス著の副題は“the changing uses of type and letterforms in English and American printing ”であった。田中著は『印刷雑誌』一九七六年八月號より長く連載されたもの。他にエフェメラ類の總覽として、野島寿三郎編『ペーパーコレクション入門 紙くず収集百科』(日外アソシエーツ、2003.2)が「43ジャンル196収集テーマ」を取り上げる。

通俗に説くなら、スクラップ・ブックやクリア・ファイルで整理するやうな紙もの、とでも言へば解りやすいか。多種多樣な對象(外延)を内包的定義(概念的定義)で無理に包括したり本質論に深入りしたりすることを避け、扱ふ道具や手續きによって説明する一種の操作的定義である。

名の通り普通は長期保存が見込まれず、その收藏は民間在野のコレクターに依る場合が多い。書籍を中心とする領域で周縁的な處遇を受ける資料といふ點で、圖書館學に謂はゆる灰色文獻にも似通ふが、エフェメラの方は商業的宣傳・廣告のための大量頒布物が含まれるから、出所や流通のあり方で差がある。

NDLC(国立国会図書館分類表)ではY95に設けられた「一時的利用価値のみを有すると認められる資料」がephemeral materialsに對應させた區分であったらしい。

Cf.『書物蔵』満洲大会の栞からエフェメラ論を展開す

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